2番目に君を、愛してる。
暗闇で2つの眼光と対峙する状況に置かれ、本能が逃げろと警告する。
酔っ払いではないのだろう。具合が悪ければすぐに助けを求めるはずだ。
けれど若い男は声を発することなく、目力だけで私を圧倒する。
怖いと思った。
彼はゆっくり上半身を起こして片膝を立て、抱いている子犬に顔を近付けた。
ん?
「俺はもう少し休んでいくから、この子をお願い」
響いた声は、想像していたものよりもずっと優しく柔かだ。
拍子抜けした私はほっとして、子犬を見る。
「…貴方の犬ですか?」
「首輪してないから野良犬かな」
野良犬にしては毛並みが良く、可愛らしい顔をしていた。
「保護します」
今度はゆっくりとした動作で私に向け、子犬を抱いた腕を伸ばしてきた。