2番目に君を、愛してる。
受け取った子犬をコートの中に招き入れる。
男が温めていたせいか、子犬は元気そうだ。
「…貴方の家は?」
「ここからは少し遠いいな」
「ホテルに案内しましょうか?」
近くに素泊まり専用のホテルがある。こんな日だからお客さんも少ないだろう。
「…俺は大丈夫だから。もう行って」
男は目を閉じた。
放っておいて欲しいと男の態度が告げている。
「なにか特別な事情があるんですか?」
浮気がバレて帰る家がないとか?
リストラとか?
世の中に彷徨うたくさんの問題。
挙げたらキリがない。
「うち、この近くなんです。狭いけど此処よりマシだと思うんで、一緒に来てください」
男を見下ろす。
こちらの誘いに彼は首を振った。
寒空の下、私はこの男を、
理由もなく救いたいと思った。