2番目に君を、愛してる。

気持ちいい。
優しく髪をすいてくれる大きな手。

ドライヤーの温風をゆるめたり、冷風にしたりと温度調節までしてくれてとても心地よかった。


急に瞼が重くなる。


「新藤さん美容師さんになれますね」

「美容師?」

「イケメン美容師さんに髪洗ってもらったり、ドライヤーかけてもらったら、女の子は幸せになれます」


目をつむりながら言う。


「新藤さんの髪の毛サラサラで、アレンジとかしたら凄く良くなりそうです。あ、今の自然なヘアスタイルも素敵ですけど」


黒髪でなく少し色を入れるなんてこともありかも。真面目な雰囲気から一変、少しチャラい外見も、中身とのギャップでたまらないかもしれない。


「君は?今、幸せを感じてるの?」

「え?」

「客観的な意見はいらないよ。君が幸せを感じるのなら、毎日乾かすよ」

「……」


自分からふった話題ではあるがその答えをすんなり口にできるほど、素直ではない。
それに、照れる。


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