2番目に君を、愛してる。
追い出されたくないからね、と彼は布団をたたみながら言う。
「俺は君に本心を打ち明けることはできないよ」
「本心…」
「それに君は興味ないだろう?俺が君のことをどういう目で見てるかなんて」
「どういう目って、ただの警護対象ですよね」
「…そういうことにしておいて」
新藤さんがカーテンを開けると眩しい光が目に入る。
「君の淹れたコーヒーが飲みたいな」
もっときちんと話がしたいけれど、新藤さんが珍しく甘えてくれたので急いでお湯を沸かす。
この奇妙な共同生活、いったいどうなるのだろう。
ただひとつ、この人の甘さに捕らえられてはいけない。それだけは確信していた。
甘い蜜に誘われて、1番大切な兄を見失うことはしたくない。
私は、兄が全てだーーこれからもずっと。