2番目に君を、愛してる。
「おいおい、サボるなって言ったよな」
屋上へと続く階段を上る途中で青山先生に呼び止められる。
同時に2限開始のチャイムが鳴り響く。
「1限はちゃんと出たでしょう?」
「そういうもんじゃないだろ」
青山先生に腕を掴まれる。
振り払えないほどに強い力で。
「ほら、教室に戻れよ」
同級生に話しかけられているような乱暴な物言い。
「…見逃してください」
「しょうがねぇなあ」
いつも青山先生は気怠げで、そこが一般的な教師にない魅力だ。
「一緒にサボるか。数学準備室に来いよ、コーヒーでも淹れてやる」
「教師が生徒のサボりを手伝って良いんですか?」
「バレなきゃいいじゃん?」
まるで少年のような満面な笑みだった。
イタズラ気にウインクまでしてきた。
ポンポンと私の頭を数回叩き、腕を放してくれた。