2番目に君を、愛してる。

書類や本で山積みであるかと思いきや、数学準備室は綺麗に片付いていた。

黒いソファーに座るように促されて、インスタントコーヒーを淹れてもらった。

「お前、甘党?」

角砂糖の入った小瓶を掲げた青山さんは楽しげに笑った。


「お子ちゃまは3つくらい入れておく?」

「…甘党なんで砂糖3つとミルクもお願いします」

「くっ、ガキだな」


ブラックコーヒーを飲みながら笑う青山先生につられて、こちらの頰も緩む。
教師と2人の空間ではあるが、少しも緊張しない。それどころか授業をサボっている後ろめたさも感じなかった。青山先生の作り出すゆるいゆるい雰囲気に飲み込まれそうになる。


「夏も色々考えてるんだろうけど、たまには大人に相談しろよ?ウザくても一応、おまえより長く生きてる者に相談することも悪くねぇと思うぞ」


青山先生は椅子の背もたれに寄りかかり、長い足を組む。


「俺にも相談していいぞ?」

「…悩みなんて、ないですよ」

「別に学業だけじゃなくて恋の悩みでもいいけど?」


茶化すような瞳と目が合う。


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