2番目に君を、愛してる。
いつも通り校門で待っていてくれた新藤さんは、助手席の扉を開けてくれた。
運転席を見ると美崎さんの姿はなく、すぐに新藤さんが乗り込んでくる。
いつもと違う、距離。
「駅前で大丈夫?」
「あ、はい。駅前ならたいていのものは揃うと思います」
新藤さんと目が合う。
後部座席でなく彼が隣りにいるという慣れない空間に少しだけ戸惑っていた。
なんで私、緊張してるの?
「了解…おっと、」
新藤さんは私に身体ごと向けて、さらに助手席に身を乗り出してきた。
「新藤さん!?」
近付く距離。
彼のサラサラな髪が顔にあたる。
キスされる?
一瞬、そう思った。
「シートベルト忘れてる」
彼の吐息が顔にかかる。
「あ…すみません」
「いえいえ」
「……」
女性慣れしている新藤さんにとっては些細なことであっても、こちらは無駄に意識してしまっていた。
なんなの!?
そしてなにより、キスされると感じた時、
避ける気が一切なかった己の気持ちが分からない。