お見合いから始まる恋→結婚
私はドアの前で尚登の手を少し引っ張ると、歩みを止めた。

そして二人の方をもう一度見た。

「今日はお時間を取っていただいてありがとうございました。」

私はお辞儀をして、尚登を促した。

私達はどちらともなく小走りにその店を出た。

少しでも早くその場を離れたいと思っているのが、嫌というほどお互いに伝わってくる。

「尚登。ちょっとスピードを緩めて。」

私は店から少し離れた所で声を掛けた。

少し息を切らせながら。

やっぱり男の人のペースは速い。

「あっ、ごめん。」

尚登は私の様子を見ると、ゆっくりと歩き出した。

そして同じタイミングで立ち止まった。

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