お見合いから始まる恋→結婚
私達は顔を見合わせて、声を上げて笑い出してしまった。

「陶子、言ってくれたね~。二人の顔を見たか?」

尚登の感情があふれ出している。

つないでいる手からもその興奮が伝わってくる。

「私は当たり前の事を言っただけよ。それも全部尚登が私に言ってくれたことばかり。」

すると尚登が目を細めて私を見つめた。

そして急に私の正面に真剣な顔をして立った尚登。

「えっ?どうした…。」

私は道の真ん中で、尚登にキスをされていた。

少し抵抗する私を尚登は力で抑え込む。

「ありがとう、陶子。…愛している。」

離された尚登の唇から零れた言葉。

いつから私の涙腺はこんなに緩くなってしまったんだろう。

尚登の前で何度こうしてポロポロと涙を流しているんだろう。

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