お見合いから始まる恋→結婚
尚登に何かが起こっている?

私は仕事中も上の空で、書庫にこもっていた。

とてもカウンターに座って、人と対応できる余裕はなかった。

そして時間が来ると、慌てて大学を後にした。

私はバスで尚登さんのマンションへ向かった。

いつもの道のりが遠く感じる。

玄関の前に立って、いつものようにベルを鳴らす。

中で人の気配がしているようなのに、そのドアはなかなか開かない。

不思議に思った私は鍵を出して、自分でそのドアを開けた。

奥では男性と女性の声が入り混じっている。

「こんばんは。」

少し大きな声を出しながら、リビングに進む。

私は奥から聞こえる声に異常を感じながら、リビングのドアに手を掛けた。

「あら、陶子さんでしたっけ?いらっしゃい。」

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