お見合いから始まる恋→結婚
そこには璃子さんが居た。

「それは…。」

なぜか私のパジャマを着て、私のスリッパを履いている璃子さん。

こないだ運んでもらった荷物に入れたものだ。

そして私の枕を抱えている。

「えっ?」

私はそんな璃子さんの姿に愕然とする。

「あっ、陶子。これは…。」

それまで怒りを顔の前面に出していた尚登が、私の顔を見てうろたえた。

「これは…、どういう事?」

私の頭は真っ白になり、目の前の璃子さんから目が離せない。

「違うんだ、陶子。話を聞いてくれ。」

私は目を大きく開いたままで、後ずさる。

これには何か理由があるはずだ、分かっている、でも…。

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