お見合いから始まる恋→結婚
「痛い!」

お兄さんが小さく叫んだ。

「お兄さんには関係がない事です。私と尚登さんの問題ですから。」

その瞬間お兄さんの表情が変わり、私を引き寄せた。

「辞めて下さい。」

私はお兄さんを振り払おうとした。

しかしその腕は完全に振り払えなくて、お兄さんに抱き寄せられた。

そして、お兄さんに唇を奪われてしまった。

「…陶子…。」

そこには肩で息をしている尚登が居た。

何て間が悪いんだろう。

「尚登は璃子さんとうまくやればいい。その代り陶子さんの傷は俺が一緒に癒していくよ。」

お兄さんは尚登に余裕の姿を見せつけたいようだ。

「違う!尚登、聞いて!」

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