お見合いから始まる恋→結婚
「さあ、荷物を運びましょう。日が暮れて、暗くなってきてしまう前に。」

中村さんはそう言うと玄関にあった段ボールの一つに手を掛けた。

さすがに私の荷物くらいは大人四人で運ぶとあっという間に全てが軽トラックの荷台に納まった。

私は玄関先で両親に頭を下げた。

「とにかく行ってくる。また連絡するね。」

私の表情を見た両親は少し安心したようだ。

「そうね。近々二人でご飯でも食べにいらっしゃい。」

お母さんが声を詰まらす。

お父さんはそんなお母さんを見てから、私に視線を合わせた。

「尚登君とちゃんと話をするんだよ。」

私はうなずくと、先に軽トラックに乗っている中村さんに一度頭を下げ、助手席に乗り込んだ。

中村さんが一度両親に頭を下げてから、車が動き出した。

「良いご両親だね。」

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