お見合いから始まる恋→結婚
玄関には私の荷物、そう段ボールがきれいに積まれて置いてあった。

慌てて二人で外へ出る。

しかしもう軽トラックの姿はなかった。

「中村さんが話をしてくれたの。」

私達はいつの間にか手をつないでいた。

「璃子さんの事も。」

「うん、陶子もどう見ても璃子の事はおかしいと思っただろう?」

私はうなずく。

「あんな状態の璃子を突き放す事は出来なかった。だから一生懸命説得をしていたんだ。そうしたら運んできた陶子の荷物を自分のものと錯覚していつの間にか身に着けていた。」

「そんなタイミングの悪い時に私が行っちゃったのね。」

尚登は苦笑いをした。

「でもな、最後はちゃんと璃子は分かってくれたよ。もしかしたらその時に正気に戻ったんじゃないかと思うぐらい、急に物分かりが良くなってさ。ちゃんと璃子の御両親とも話した。もう大丈夫だと思う。」

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