お見合いから始まる恋→結婚
15
「陶子。」

甘えたような声で背中から尚登に包まれる。

「本当に一緒に住むんだな。」

何ともだらしない表情をしているんだろうなと尚登の顔を私は想像する。

尚登はあの後お兄さんとぎごちないながらも和解をしたようで、ご機嫌で家に戻って来た。

「少し時間をおいて、今度三人で食事をしよう。」

そんな事を言いながら。

尚登の笑顔を見ながら、私はほっこりする。

「陶子のおかげだよ。今度は二人でもっと本音をぶつけ合おうって言って別れてきた。」

「そう、良かったね。」

私が尚登の方へ身体をねじると、そこでキスを落とされる。

「ねぇ、これ見てくれる?」

尚登は私から離れると、何かを私に差し出す。

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