お見合いから始まる恋→結婚
私の様子に尚登は温かい微笑みを向けた。

そんな尚登の顔を見ているだけで、私の頬に涙が伝う。

「やだっ、私はこの頃泣いてばかりいる…。」

尚登の唇が私の涙をぬぐう。

「お願い、少しの間で良いから抱きしめて。」

お互いが産まれたままの姿になった時、私は尚登にお願いした。

尚登は私を優しく包み込んだ。

尚登の温かさをまた感じることが出来て良かった。

「陶子、本当にありがとう。陶子と出会ってから、俺の人生は動き出したような気がする。」

優しく甘い甘い尚登の声。

「私、あの日に駅に行って良かった。」

まさかあの時にはこんな風に尚登がかけがえのない人になるとは思わなかった。

「俺は兄貴から陶子の写真を取り上げて良かった。」

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