お見合いから始まる恋→結婚
「先程のお話なんですけど…。」

尚登さんは動物園に行く車の中の会話をかいつまんで両親に聞かせた。

「お母さまの電話がきっかけでこうなったという訳です。」

途中から両親も笑いをこらえていたようだ。

「まるで10代の若い子達の恋愛の行き違いみたいね。」

ちょっと呆れたようにお母さんが言った。

「まあ、それも良いじゃないか。」

お父さんがそう言うと、みんなが声を上げて笑った。

「それで陶子さんとのお付き合いを認めて頂きたいのです。」

真面目な顔をした尚登さんが再度話を切り出す。

両親はにこにことうなずいた。

「そこでなんですが…。」

これ以上何かあるのかな?

ちょっとうわずった声を出した尚登さんをチラッと見た。

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