お見合いから始まる恋→結婚
尚登さんの心音が聞こえてくるような気がする。

「私達はお互いに仕事をしていて、なかなか会う時間を合わせるのが大変なのです。でもそんなにのんびりしている時間もない。」

ん…、確かに。

私はウンウンとうなずきながら、尚登さんの言葉を聞いていた。

「そこで一緒に生活をする事を許していただけませんか?」

「えっ、えー??」

私が一番大きな声を出した。

「もしうまくいかなかったらどうするんですか?」

お母さんは少し厳しい声を出した。

「この子も35歳です。気軽に同棲をしてやっぱりうまくいかないからと放りだされるのは困ります。」

真っ直ぐなお母さんの気性が現れている。

「確信があるんです。」

静かに尚登さんはお母さんと目を合わせて言った。

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