お見合いから始まる恋→結婚
「実はですね、あの話は私に来た話だったんですよ。」

「えっ?」

そんな話は尚登さんから聞いていない。

「あなたの写真を頂いていたでしょう?それを見るなり、弟は自分が行くと言って利かなかった。」

私の驚いた表情を嬉しそうにお兄さんは続ける。

「でも実物はもっと良いですね。弟に譲らなければ良かった。」

私があからさまに顔をしかめた。

冗談には聞こえなかったからだ。

「今からでも遅くない。私も候補にしてもらえませんか?」

さっきとは違って真面目な顔になったお兄さん。

対応に困った私の口から出た言葉は…。

「…私はからかわれています?」

私の様子に、お兄さんは吹き出した。

「なかなか面白い女性だね。やっぱりこのまま引き下がるのはもったいないかもしれないな。」

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