お見合いから始まる恋→結婚
「…何か大きな隠し事でもあるの?」

尚登さんはそう言い残すと、一旦姿を消してコーヒーを持って戻って来た。

「…ありがとう。」

「ごめん、ちゃんとしたコーヒーカップもなくて。」

尚登さんは普段使いにしていそうなマグカップを両手に持ってきた。

私はそのコーヒーを一口飲んだ。

私の好みを既に把握しているのがこんな些細な事にも表れる。

「俺は何も聞いていないけど?」

ソファに座っている私の横に尚登さんは座った。

「…私、婚約解消をされたことがあるの。」

私は表情で尚登さんにもっと聞きたいか探ってみる。

「だからうちに来てもらった時、お父さんもお母さんもあんな感じだったのよ。」

お父さんは直ぐに結婚の話を出したし、お母さんは同棲の話にあんな反応をしたのだ。

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