お見合いから始まる恋→結婚
私は起き上がろうとして、尚登さんをよけようとした。

「んっ…、陶子?」

あらら、起こしてしまったようだ。

尚登さんは子供のような無邪気な笑顔を見せた。

「陶子って見かけによらず激しいんだな。」

私の反応を確かめようとしながら、尚登さんはそう言った。

「尚登さんが悪いのよ。」

「どうして?」

私はぷいと顔を背けた。

「正直に言いなよ。久しぶりですごく感じましたってさ。」

尚登さんはニヤニヤしている。

「尚登さんって意地悪なのね。」

いままで優しかった尚登さんの違う一面を見たような気がした。

今度こそ立ち上がろうとした私の腕を尚登さんは捕まえた。

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