お見合いから始まる恋→結婚
「その時代の書物から読み解ける女性心理などを中心に研究していました。」

するとお兄さんは嬉しそうに笑った。

「へぇ~、こんな話題が通じる人がいるなんて。」

それが分かると、今度は少し踏み込んでお兄さんは話し出した。

その姿は本当に楽しそう。

そこへ注文したものが届いた。

「さっ、食べましょう。」

お互いに無難な定食を頼んで、そこで黙って食べ始めるのかと思ったら…。

食べながらまだまだしゃべるお兄さん。

この辺も尚登さんの落ち着いた様子とは全然違う。

「同じ兄弟なのに似ていないんですね。」

思わず私は余計な事を言ってしまった。

「そうでしょう。でもね…。」

お兄さんは思わせぶりにこちらを伺った。

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