お見合いから始まる恋→結婚
「俺の前だけじゃなきゃ困るな。他の男の前では辞めて欲しい。」

私はそっと尚登さんに近づいて、首に手を回す。

そして囁く。

「尚登、大好きだよ…。」

尚登の身体がビクンと反応する。

「…お願い、顔を見せてなんて言わないでね…。」

尚登が動きを止めた。

「どうした?」

「今の顔、とても尚登に見せられない。」

私は自分の顔の熱を感じながら、更に力を入れて尚登に抱き着く。

「感じている陶子の表情を見てしまっているから、今更だと思うけど。」

さらっとそんな事を言う尚登の肩の周辺をグーでたたく。

「…もうそんな可愛い事するなよ。」

男の人の力には、悔しいくらい敵わない。

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