お見合いから始まる恋→結婚
尚登の手が私の脇に固定される。

私は簡単に尚登から引き離されると、尚登の顔が正面だ。

「ホントだ。真っ赤な顔をしている。」

うつむく私に楽しそうに尚登は話しかける。

「陶子、顔を上げて。」

尚登の言葉に、私は観念してそっと顔を上げる。

そこには同じ表情をした尚登。

「陶子も俺をじろじろ見るな。」

私達は同時に微笑むと、唇を重ねる。

「早く引っ越しして来いよ。」

私達はベッドの中でそんな話をしていた。

あんな状態で、そのまま帰れるわけがなく…。

少々だるい身体を尚登に引き寄せられ、私は素直に尚登に包まれる。

「もうご両親の許可も得ているんだから、結婚式は後回しでも入籍をしてしまうのも手なんだけどな。」

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