お見合いから始まる恋→結婚
「もういいだろう、陶子。尚登君の気持ちに沿ってあげても。」

いつの間に尚登はお父さんを味方につけてしまったんだろう。

「陶子、準備にどれくらいかかる?お前の身の回りの物だけだから、一週間もあれば大丈夫だろう。」

「悟さん、それは…。」

お母さんが口を挟んだ。

「陶子に聞いている。尚登君は軽トラックを借りて、自分達で引っ越しをしたいと言っている。私もそれで十分だと思っている。」

私は思いがけないお父さんの話にコクリコクリとうなずく。

「じゃあ、余裕を見て2週間後の日曜日でどうだ?」

「分かった。」

私も素直に言った。

「こら、陶子。すぐに尚登君に電話しなくていいのか?」

「えっ?」

「お前の気が変わるといけない。さっさと電話しろ。」

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