お見合いから始まる恋→結婚
「陶子には言わなかったが、どうも前の奴は好きになれなかったからな。」

「寂しくなるわね。」

お母さんがぼそりという。

「君には私が居るだろう。喜んで陶子を送り出してやろう。」

私は二人がそんな話をしているとは夢にも思ってなかった。

とにかく尚登にラインを送る。

-お父さんと相談して、2週間後の日曜日に引っ越しが決まりました。手配をお願いいします。-

私はそう送ると、ふうっと息を吐いた。

「あれっ?」

マナーモードの私のスマホが震える。

尚登からの着信だ。

「もしもし…。」

「陶子、本当に良いのか?」

尚登の声はだいぶ焦っているようだ。

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