白~黒船来航の秘密~
「おい、しっかりしろ!おい!」
「安明兄さま、どいて。出血がひどいように見えるけどこの傷の血ではないわ。その証拠に傷が浅い。刺された衝動で気が動転しているだけよ。止血すれば出血死にはならないはずよ。」
「私は悪くない!わ、た、、し、は、」
「ええ、分かったわ。安心して頂戴。ここにいるのは武術にたけている者たちよ。診療所の先生が来るまであなたのことを絶対に守るわ。」
でも、とりあえずこの血を止めないといけないわね。
私の着物でいいわ。袖のあたりなら。
「武人、小刀かして。」
「これでいいか?」
「ええ、すぐに終わるわ。」
ビリッ
よし、これで傷口をおさえれば。
「あなた、もしかして、、嘘・・・でしょ・・・」
「どこかでお会いしたかしら?」
この女の人どこかで見かけた気もするわね。
どこだったかしら。
「雪、安明、元輔、きたぞ。」
早いわね。
自分が刺した人が助けられてるなんて聞けば
普通は様子を見に戻ってくるわ。
そして、助けている者が子供だったら
とどめをなんとか刺すために突っ込んでくるわよね。
だって、傷が殺したくて刺したっていう場所にあったもの。
でもざんねんだったわね。