白~黒船来航の秘密~

「ゆ、雪様!おかえりなさいませ。ですが、これはただの飴玉です。これを武政様に頼まれた所まで持っていくだけですよ。」

そうね。

それが、

「ただの飴玉ならな。」

「武人様もおかえりなさいませ。しかし、どこからどうみてもただの飴玉・・・あら?」

「どうかしたの?」

「これは・・・。文でしょうか。」

文?

飴玉の中に?

確かに小さく折りたたまれた紙が入っている気がしなくもないけれど。

「あーあ。これだから嫌なのだよねえ。仕事もできないうえに頼まれごともできない無能は。」

武政さん。

「武政さん、彼女は仕事をきちんとこなしているわ。久々に屋敷に戻ったら使用人が増えていて気に入らなかったんでしょ。」

「兄様は自分ですべてを支配したいっていつも言っていたからな。あの時だってそういうことだったんだろ。」

「はて、なんのことやら。おっと。俺はもう行くよ、父上によろしく。」

え?

行くってどこに


「兄様!待て!まだ話を聞いていない。」

あ、武人。

行ってしまった・・・・。






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