白~黒船来航の秘密~
まったく少しは自分のことを守ってほしいものだわ。
「それ!ときの!雪姉さまー安明兄さまがお団子食べたー!!」
「ええ!これときのだったのか!すまんすまん、俺のやつあげるから、な?」
「やだぁ!これ、とき食べれないやつ・・・」
「はいはい。とき、私のあげるわ。これ好きなやつでしょ?」
「でも、雪姉さまのは?」
「私はいいのよ。」
ほんとは食べたかったのだけど、言わなくていいわね。
因みに、私たちのお父様は全員与力という役職なの。
私と安明兄さま、元輔兄さまの父さまが公用人といって側用人・留守居・使番・小姓・祐筆を兼ねた仕事をされているわ。
ときと、今は旅に出ているもう1人のお父さまが目安方といって町の人々の事件の調査をされているの。
武人のお父様は泣く子も黙る町奉行、青山武蔵様。
私たちの自慢の父さまたちなの。