大江戸ロミオ&ジュリエット

志鶴の身体(からだ)から離れた多聞が、おのれの帯を解き、着流しを脱ぎ捨てた。
下帯を緩め、志鶴の腰巻を(まく)り上げる。

やわらかな手触りの薄い下生えが、はっきりと姿を見せた。夜露に濡れたかのように艶めいている。

多聞は感に堪えぬ顔になって、志鶴の脚の間に身体を滑り込ませた。

「……志鶴、今からおまえを、おれの妻にするからな」

極まったばかりで、はぁはぁと肩で息をする志鶴は、ぼんやりと虚空を見つめていた。

多聞はすっかり(たぎ)るほどに熱くなった我が身を、志鶴の胎内(なか)にゆっくりと沈めていった。

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