大江戸ロミオ&ジュリエット

志鶴の沸々とした思いが、身体(からだ)に伝わった。
きゅううぅっと、締めつけたのだ。
多聞の動きにも次第に慣れてきて、志鶴の痛みがようやく薄れてきた頃だった。

それまで緩慢だった多聞の動きが、次第に敏速になっていく。

「……今日まで(こら)えしのんできたがゆえ、もう抑えが効かぬ。今日はおまえが堪えてくれ。おまえにとって……しばし、きつうなる」

多聞が苦悶に満ちた顔で(うめ)いた。
欲情の火に煽られた目が、狂おしいほど志鶴を求めている。

いきなり、人が変わったかのように、多聞が猛々しく突き上げてきた。

だが、予想に反して、志鶴に激痛はなかった。

動くたびに擦れる痛みは依然としてあったが、胎内(なか)は痺れたようにじんじんとしながらも、多聞の激しい動きをしっかり受け止めていた。

そして、さらに激しさを増す動きの中で、志鶴は悟った。

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