イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 ツインのベッドにお互いに向かい合うようにして腰かけた。

「智明さん、さっきの言葉は……」

 『一生一緒に』だなんて、まるでプロポーズみたいな言葉だったけど……。


「ああ、まんまだよ」

「え?」

「俺の運命の人は結月だったってこと」

「う……」


 心臓が止まるかと思った。

 改めて言われると、嬉しくて涙が滲んでしまう。でも……。


「あの、智明さんの運命の人って二人いるんですか?」

「はぁ? 何それ」

「だって……」

 盛大に眉をしかめる智明さんを、おそるおそる見上げる。


 本部で松原さんに会ったことと、女性たちが話してた内容を伝えると、「よく立ち聞きするヤツだな」と呆れられた。

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