イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
スマホを鞄に仕舞い、涼しい顔をした葛城さんを見上げる。
葛城さんだって忙しいはずなのに、なんでアシスタントの私を迎えになんか?
「表に車を停めています。行きましょう」
「はい……」
来てもらっている以上、頷くしかなく。わけのわからないまま部屋に鍵をかけ、葛城さんに着いて行く。
マンションの入り口近くに、昨日テレビ局へ向かった時と同じ黒塗りの高級車が停まっていた。
「あの、どういうことですか。私なら電車で通勤できますけど……」
信号が赤に変わったのを見計らって後部座席から声をかけると、ハンドルを握る葛城さんとバックミラー越しに目が合った。
「お家元のご指示は絶対ですので。それと帰りもお父様の病院までお送りするようにと言われています」
「えっ、帰りまで!?」
「結月さんをお預かりしている以上、あなたの身に何かあってはお父様に申し訳が立たないと思われたんでしょうね」
驚いて目を丸くする私に、葛城さんはくすりと笑みをこぼした。
葛城さんだって忙しいはずなのに、なんでアシスタントの私を迎えになんか?
「表に車を停めています。行きましょう」
「はい……」
来てもらっている以上、頷くしかなく。わけのわからないまま部屋に鍵をかけ、葛城さんに着いて行く。
マンションの入り口近くに、昨日テレビ局へ向かった時と同じ黒塗りの高級車が停まっていた。
「あの、どういうことですか。私なら電車で通勤できますけど……」
信号が赤に変わったのを見計らって後部座席から声をかけると、ハンドルを握る葛城さんとバックミラー越しに目が合った。
「お家元のご指示は絶対ですので。それと帰りもお父様の病院までお送りするようにと言われています」
「えっ、帰りまで!?」
「結月さんをお預かりしている以上、あなたの身に何かあってはお父様に申し訳が立たないと思われたんでしょうね」
驚いて目を丸くする私に、葛城さんはくすりと笑みをこぼした。