my sweet love〜third〜
柚の瞳から不安が少しだけ薄れたところで
また、矢野先生が口を開いた
「話をしてもいいかな?」
「…はい」
「まず、今回こうして
入院になってしまった件についてだけど
覚えてると思うけど
買い物に行って出先で発作が起こったよね
食後すぐに動いたこともなく
激しく動いたわけでも無い。
そんな中薬一つで効かなかった程の
大きな発作が起こってしまったことは
柚ちゃんの心臓の状態が
あまり良く無いことはわかるよね?
それだけじゃなくて
もちろん学校を頑張ってるからこそ
疲れが一気に出てしまうのは
健康な人間もおんなじことだ
心臓が弱いから
側にいる皆んなも柚ちゃんも
もちろん気をつけていたと思う。
ただ。一つ言えることは
こうして何度も突発性の発作が続けば
いつか取り返しのつかないことになる」
そこまで言って
矢野先生は口を閉ざした
それはきっと…
あまりに柚の表情が落ち着いていたから。