my sweet love〜third〜



柚の瞳から不安が少しだけ薄れたところで
また、矢野先生が口を開いた


「話をしてもいいかな?」



「…はい」


「まず、今回こうして
入院になってしまった件についてだけど
覚えてると思うけど
買い物に行って出先で発作が起こったよね
食後すぐに動いたこともなく
激しく動いたわけでも無い。

そんな中薬一つで効かなかった程の
大きな発作が起こってしまったことは
柚ちゃんの心臓の状態が
あまり良く無いことはわかるよね?

それだけじゃなくて
もちろん学校を頑張ってるからこそ
疲れが一気に出てしまうのは
健康な人間もおんなじことだ

心臓が弱いから
側にいる皆んなも柚ちゃんも
もちろん気をつけていたと思う。


ただ。一つ言えることは
こうして何度も突発性の発作が続けば
いつか取り返しのつかないことになる」




そこまで言って
矢野先生は口を閉ざした



それはきっと…

あまりに柚の表情が落ち着いていたから。









< 103 / 230 >

この作品をシェア

pagetop