my sweet love〜third〜
吸入のマスクから
酸素マスクに変えられて
ようやく落ち着いた呼吸が戻ってきて
喉の違和感はまだ少しあるものの
声を出せるようになった
「りゅう…」
「うん。話聞こっか」
「柚ちゃん私も聞いてていいかな?」
いつも優しくしてくれる看護師の湯本さん…
迷惑かけちゃったな…
そう思って湯本さんと智の
2人に目を合わせて頷いた
「目が覚めて…1人で……
モヤモヤしたまま
気がついたら…廊下のベンチにいて…
酸素…って思ったけど…
たぶんもう…戻る体力がない気がして…
喘息っぽい喉の感じで…
そしたら智が…」
「俺が見つけた時はその時だったんだね」
「ぅん……
それで…迷惑かけちゃったって…思って
戻らなきゃって…思って…」
「それで無理して立ち上がって
ふらついたところを俺が支えたって感じ
ふらついて支えた時にはもう
咳が出始めて発作が始まっちゃったんだ」
「そっか…
柚話してくれてありがとう
柚泣き疲れて寝ちゃったから
俺が少し離れてたから寂しくさせてごめんね
戻ろうとしたら
ナースステーションがバタバタしてて
看護師さんみんな探してたよ」
「ごめんなさい…」