my sweet love〜third〜
「それで…本題に入ろうか
柚。移植の話を聞いたよ
決断したと聞いたけど大丈夫なのか?」
「私の心臓のこと一番知ってる
矢野先生と龍が勧めるんだよ?
それが私の心臓にとって何よりも
いいことなんだってことだよ…」
「そうだな…
もちろんそれがきっと良いことだ。
でも柚の気持ちが一番だよ
移植をする上で不安なこと
なんでも良い。口に出すことで
少しは気持ちが軽くなると思うんだ」
「うん……」
「私たちも龍くんも
誰よりあなたが大切よ
どんな手段を使ったとしても
あなたが治るならそれで良いとすら思ってる
だから本音を言うと
どんな手段を使ったとしても今すぐに
あなたのドナーを見つけたい
それが出来ないこともわかってるけれどね」
「私ね…ちゃんとわかってなかった
心臓を移植をするってことは…
誰かの死を待つことになる…
これから先お父さんもお母さんも
私も龍も…
いつ来るかわからない誰かの死を待つの?
そして…
その誰かの命をもらって喜ぶの?
そこまで考えた上で
ドナー登録してなかった……」