my sweet love〜third〜
薬の種類を変えたおかげで
夕方になる頃には
熱は8度後半から7度後半まで下がってきて
少しは楽そうな表情に変わった代わりに
副作用で動悸と息切れが強く出て
酸素マスクの濃度をあげることになった
午後の仕事を終えて
パラパラと先生方が帰り始めて
全体的に忙しさの落ち着きを見せた頃
悠の病室に顔を出すと
少し落ち着いた顔色の悠がいた
「おつかれさま」
少しくぐもった声で悠が言ってくれた
「ありがとう
少しは良くなった?
熱7度8分まで下がったって聞いたけど」
「苦しい…のが、
ちょっと辛い…けど
ぜんぜん、ましだよ」
「そっかそっか。よかった
頭痛かったり気持ち悪いのも良くなった?」
「両方とも、へったよ」
「うんよかったね
もう直ぐ夕飯の時間なんだけど
多分今ご飯食べられないと思うし
ご飯食べ始めたら
苦しくなっちゃってまた気持ち悪くなるから
とりあえず今日の夕飯は無しでもいい?」
「食欲ない…」
「そうだよね
栄養は点滴で入れさせてもらうね
俺この後また仕事で戻らないとなんだけど
当直でずっと院内にいるから
何かあったら直ぐナースコールして?
時間あったら覗きにもくるし
1人じゃないから安心してね」
「あり、がと」
「じゃあ看護師さんに
点滴お願いしておくから
またゆっくり休んでな?
俺後でまたくるから」
頷きながら少し微笑んだ悠をみて
俺は病室を後にした