my sweet love〜third〜
…ん…?
気がつくと安心したのか
柚の病室で眠っていて
外は暗くなっていた
目を覚ましていない柚の手を
優しく握ると
熱を帯びた手が少しだけ動いた
「柚?わかるか?」
少し力の入った手がまた俺の手の中で
指先を動かす
「柚。聞こえたら握って」
弱い力だけど返ってくる
「よかった…」
俺の思わず漏れた言葉と同時に
チューブのせいで不快感が強い中
柚が目を開けた
「目さめたね
さっきね意識飛んじゃったから管入れたの
今から抜くから待ってね」
『浅川さん目覚めました?』
「長谷川です。
挿管の管抜くので消毒と
酸素マスクお願いします」
『了解です』
ナースコールで看護師さんに頼んで
準備に取り掛かった
ガラッ
「先生持ってきました」
「ありがとう
柚?今から管抜くから
ちょっと気持ち悪いけどごめんね
すぐにマスクつけるから
焦らないでゆっくり呼吸してて」
管を抜くとすぐに咳き込み始めて
マスクをしてしばらくしてようやく落ち着いた