my sweet love〜third〜
お昼休みも終わり
少し安定のしない患者さんを回ったり
他の科のヘルプに回ったりして
バタバタしている中
PHSが着信を告げた
「もしもし」
『長谷川先生!浅川さんからコールです
本人から不整脈が出て苦しいと』
「分かったすぐ向かう
カルテの量の薬入れてくれる?」
『はい!用意してすぐに投与します!』
電話を切り駆け足で向かうと
また心電図が音を立てていた
「先生!」
「ありがとうね
柚ー待たせてごめんね
今薬入れてくれたからすぐ良くなるよ」
「はぁっ…はぁっ…ぅっ…」
「柚のペースでいいよ」
苦しみながらも体力の限界もあり
体から力が抜けていく
「柚大丈夫だよ
ごめん点滴早めてくれる?
このままだと体力がもたないから」
「分かりました」
呼吸を落ち付けようとするけど
脈の飛ぶ感覚に焦り続かない
「うんそう。
呼吸にだけ集中しよう
脈飛んでるの分かると思うけど
大丈夫だからね
焦らなくていいよ」
「柚ちゃん大丈夫だからね」
看護師さんも声をかけながら
大粒の汗を拭ってくれている
俺が到着して10分ほど苦しみ
漸く呼吸と脈が落ち着いた