独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「智也さん……起きてますか?」

 扉越しに小声で話しかけるけれど返答はない。おかしいな、と思いながらもう一度声をかけるけど、やっぱり返事はない。

 このまま寝室に戻ることも考えるけれど、さっきの私みたいに仕事をしながら寝てしまっていたらと思うと、起こしてベッドまで行く方がいい。

 そのまま寝てしまって風邪をひいてしまったら大変だ。

 でも、もし見てはいけないようなことしていたら?

「み~た~な~」って怒られるような気もして、どうしようか悩むけれど、智也さんのことが気になるから、部屋に入ることに決めた。

 もし変なことをしていたら、見てないフリをして、扉をすぐに閉めよう!

 そう決意して私は智也さんの部屋の扉のドアノブに手をかけた。
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