独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「智也さん、待って!」
「待たないよ」

 わぁぁ、どうすればいいの!?

 足をバタバタさせて抵抗するけれど、全く止めることができず、軽々と持ち上げられて寝室まで運ばれてしまった。

 そして先程まで寝ていたベッドの上に乗せられて、その上に覆いかぶさるように智也さんがやってきた。

「詩織……」

 いつも名前を呼ばれるとドキドキするけれど、今日はそれ以上いドキドキさせられている。

 声が甘ったるくて、求めるみたいな呼び方。私今までこんなふうに名前を呼ばれたことないよ。

「智、也さん……?」
「目、閉じて」
「ダメ……っ、待っ――」

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