独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 でもダメ。本当にこれ以上は……!

 唇と唇が離れた一瞬の隙に声を上げる。

「智也さん、これ以上は――」

 そう言った瞬間、彼の体が脱力して私の上に乗っかってきた。

 そしてすうすうと安らかな寝息が聞こえてくる。

「……アレ?」

 もしかして寝ちゃった?

「もう~~~~~っ」

 これ以上進まなくてよかったという安堵感と、ちょっぴり残念に思う気持ちが入り混じる複雑な感情を抱えて、私は彼の重みを感じながら深いため息をつく。

 これってどういう気持ち?

 言葉ではうまく言い表せないけど、ああ、もう!

 その夜、私は智也さんに抱き締められながら、眠れぬ夜を過ごしたのだった。

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