独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「もっとしてほしい?」

 私の心の中を読んだみたいに、智也さんは囁いてくる。

 うん、って言っていいの? そうだよって言ったら、智也さんはどう思う?

 素直に頷きたいのに、どうしていいか分からず彼の顔を見つめ続けていると、もう一度キスをされた。

 ああ、もう。どうしよう!

 胸の鼓動がどんどん早くなっていく。自分ではコントロールできないほど、智也さんに反応してる。私の中から好きという気持ちが溢れて、言葉に出してしまいそうになる。

 もっと、もっと。もっとキスして。
 ずっと触れ合っていたい。近くに智也さんを感じたい。
 智也さん、好き――



 胸の高鳴りを感じながら、彼の唇に酔いしれていた。
 この時間が永遠に続けばいいのにと願っていたところで、インターフォンが鳴って現実に引き戻された。

「来たみたいだな」
「……ですね」

 なんだか気まずくなった私たちは少し離れて、来客者が部屋の前に来るまでやり過ごした。
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