独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
もしそう質問して「そうだよ」って言われたらと思うと怖くなる。
この結婚生活を壊すようなことを聞きたくない。それはただの逃げだって分かっているけど、智也さんと過ごすうちに、一緒にいられる時間を失いたくなくなってしまった。
意気地なし……。
こういうとき、どうしたらいいんだろう。
悲しい気持ちに埋め尽くされて泣きそうになっていたけど、今は泣いていられない。
高橋さんのお父さんを説得するのが先だ。
零れそうになる涙を堪えて気持ちを奮い立たせて、もう一度従業員入り口の前に立っていると、エントランスの方から高橋さんのお父さんの姿を見つけた。
「高橋さま!」
「君……」
また今日も来たのか、と呆れた顔をされたけど、高橋さんはびしょ濡れの私を見て、同行していた男性にタオルを持ってくるように指示をした。