独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「この雨の中、私を待っていたんですか?」
「はい……。毎日押しかけてご迷惑をかけてすみません、でもお嬢さんの結婚式は明日です。どうかお父様も参加してもらえませんか?」
深く頭を下げてお願いすると、いつもなら即答で断られるのに今回は返事が返ってこなかった。
不思議に思った私は恐る恐る頭を上げる。
「あの……?」
目の前にいる高橋さんのお父さんの視線が私を通り越して違うところを見ていることに気がつく。
背後に誰がいるのだろう、と振り返ると、そこには新郎が立っていた。
彼も雨に濡れており、きっと高橋さんの父を待っていたのだろう。
「お義父さん、お願いします。真紀さんとの結婚を許してください。お願いします」
「私からも、お願いします」
二人で深々と頭を下げる。