独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「高橋さま! すごい、めちゃくちゃ綺麗です!!」
Valerieのドレスを身に纏った高橋さんは、今まで見た花嫁様の中で間違いなく一番綺麗で輝いて見えた。
高橋さんだけに作られたドレス。
ヴェールもドレスもグローブもトータルでデザインされていて、時間がない中でも直樹と晴樹は妥協せずクオリティの高いものを提供する。
このプロ意識の高さを尊敬するとともに、Valerieの一員として誇らしく思う。
「ありがとうございます」
「とても似合っていますよ。すごく素敵です」
「佐々木さんのおかげです! 佐々木さん~っ」
「高橋さま~っ」
私たちはふんわりとハグをして、この日を無事に迎えられたことに感動した。
先程高橋さんのご両親が控室に来てくれたのを確認した。真紀さん本人には内緒にしていて、サプライズで出てきてもらうことにしている。
「佐々木さん、音響チェックお願いします」
「はい、すぐ行きます」
今日一緒にスタンバイしてくれている槙野さんに呼ばれて、私は控室を出た。
「もうすぐ本番だけど、準備は万端?」
「はい。最終チェック終わりました」
「了解。それにしてもご両親、来てくださったのね。とても素敵な式になりそう」
「はい!」