独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 目の前の結婚式は素晴らしく感動的なものであればあるほど、私は恋の痛みを知っていく。



「佐々木さん」

 式が終わり、後片付けを手伝っていると、背後から高橋さんに呼ばれた。

「今日は本当にありがとうございました。佐々木さんが私の担当になってくださって本当によかったです。感謝しきれないくらいです」
「そんな……!」

 半人前の私には勿体ない言葉だ。涙ながらに感謝を伝えてくれる高橋さんを見て、感極まった私も一緒になって涙を零す。

 彼女と出会えて、いろいろなことを考えさせられた。
 仕事のことも、Valerieのことも、父のことや、結婚の在り方についても。
 
 二人の強い愛情を見て、私もこんなふうに愛されたいとも思ったし、いろいろなことを教えてもらった。
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