独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「佐々木さんは、ご結婚されているんですよね?」
「え、ええ……そうですね」
「だったら必要ないかもしれませんが、これ、私が作ったブーケなんです。よかったらもらってもらえませんか?」

 ブーケトスをしなかったため、最後まで高橋さんが持っていたというブーケ。高橋さんのように可愛らしくて清楚な白とピンクの花たちで作られている。

「いいんですか?」
「はい、ぜひ」

 美しい生花で作られたブーケを受け取って、にっこりと微笑む。

「佐々木さんはきっとステキな家庭を築かれていると思います。私も負けないように幸せになります」

 幸せに満ち溢れた高橋さんを見て、私は大きく頷いた。

「お互いに幸せになりましょうね」



 充実した疲労感を感じながら会場を出ると、従業員用駐車場に白のBMWが停車していた。

――智也さんだ。

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