独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「どうしたの、元気ないけど……初めて一人で担当した挙式だったから疲れた?」
「……そう、ですね……」
「じゃあ、今日は初めての外食でもしようか。たまにはいいだろ? 詩織の食べたいものを食べよう。何がいい?」
智也さんは私に手を差し伸べて、一緒に行こうと誘ってくれる。
優しくされたら余計に辛くなるよ。
その優しさは何のための優しさなの?
なんてふうに、素直に受け取れなくなってしまって、どんどん嫌な女になっていく。
そんな自分が嫌で、どうしていいかわからない。
ぐるぐるとした感情を抱えて、自分では制御できなくなる。
「ねぇ、智也さん」
「ん?」
「私たち、離婚しませんか?」
こんな私でごめんなさい。
今は別れることが最善の選択に思える。
あなたのことが好きだから、これ以上夫婦でいられない――