独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
それでも私だけに見せてくれている普段の智也さんを知っている。仕事で疲れて机でうたた寝してしまうところや、家の中では何かとキスをしたがるところも。
私に何も言わずに時間を見つけては私の父に会いにいってくれている思いやりに溢れた人だ。
まだまだ知らないところもあるけれど、これからもっとたくさんのことを知っていきたい。
何も言えずにいると、山口さんは更に話を続ける。
「奥様は、一体どういうおつもりで社長と結婚なさったのですか?」
「え……?」
それって、私がちゃんと好きで智也さんと結婚しているのかってこと?
「私は……智也さんのことが好きです。未熟で至らない妻ですけど、彼のためにできる限りのことをしたいと思っています。皆さんに認めてもらえるような妻になりたいです」